去年、サティシュ・クマールと過ごす一週間の旅に参加した、仲間のnoncoさんが書いた記事。彼女と一緒に本も製作中(今年には出版されるかな〜)。
イギリスの南西部にある小さな町、トトネス。トランジションタウン発祥の地として知られるこの町に、シューマッハ・カレッジという学校があります。
ここは、平和活動家であり現代思想家として世界中の人たちから敬愛されているサティシュ・クマール氏(以下、尊敬と親しみの気持ちを込めてサティシュとファーストネームで呼びます)が仲間とともに1991年に設立した大学院。持続可能な社会づくりのための修士課程のほか、ショートプログラムや集中講義もあり、世界各国から多くの人たちが集まる学びの舎です。
サティシュのホームグラウンドであるシューマッハ・カレッジで学んできたエッセンスの一部を、ほんの少しですが、おすそ分け。
サティシュのお話の真ん中には、いつも「畑とキッチンと愛」があるのです。
2年半かけて核保有国を歩いて渡り平和巡礼を成し遂げたサティシュ
まず、サティシュのことを簡単にご紹介しましょう。
1936年、インドのラジャスターン州で生まれたサティシュは、9歳でジャイナ教の修行僧になり、18歳でガンジーの思想に触れて還俗。お金を持たずに徒歩で2年半かけて、核保有国であるロシア、イギリス、フランス、アメリカを旅し、平和を訴えたことで広く知られるようになりました。その後、イギリスへ渡り、エコロジー雑誌『リサージェンス』の編集長を務めながら、環境・平和活動に取り組んでいます。
経歴だけを眺めていると、なんだか「すごい人」とか、自分たちとは別世界の「雲の上の人」と思ってしまいそうですが、サティシュは、どんな人とも分け隔てなくフレンドリーに接してくれる、愛に満ち溢れた人。一度でもサティシュに会った人は、老若男女問わず誰もがトリコになってしまうのです。
Soil(土) Soul(心) Society(社会)の三位一体をベースにしたホリスティックな思想
そんなサティシュの行動と思想の土台となっているのが、「Soil(土) Soul(心・魂) Society(社会)」の三位一体です。
「まずは、Soil(土)。私たちは、土から生まれ、土に還っていく存在で、食べ物も着るものもすべて土から生まれてきます。Soilは、自然界すべてを表す言葉。土に触れているだけで、私たちは癒されます。大地に触れながら、私たちがどこから来たのかを思い出し、感謝をし続けることが大事です。 私たち人間には、土=地球=自然との平和的関係が必要なのです」
「次に、Soul(心・魂)。私たち人間は、自然の一部。支配者ではありません。だから、Soilを大切にすることは、私たち自身、すなわちSoul(心・魂)を大切にすることにつながります。近頃の私たちは、心・魂の大切さを忘れてしまい、物質のことしか話さないようになってしまったようです。けれど、心・魂からイマジネーションがやってきて、アートが生まれるのです。土を耕すのと同様に心・魂を耕し、愛情というコンポストを与え、感謝の気持ちと謙虚さを育みましょう。Soulに栄養を与えれば、誰もがアーティストになれるのです」
「そして、Society(社会)。私たちは、一人では生きていない存在です。共にこの地球に生きる一員として、社会との関わり合いを無視するわけにはいきません。人間コミュニティの一部であることを思い出しましょう。この自然界は多様性によって輝いています。人間コミュニティも同じです。多様性を祝福すれば、戦う必要なんてありません。多様性と統合性は対立するものではないんですよ」
この3つのS「Soil(土) Soul(心・魂) Society(社会)」は、一体であり本来切り離すことができないもの。そのことを軸にして、ホリスティック(ものごとの全体を統合的に捉える視点)でエコロジカルな新しい世界を創りましょう。と、サティシュはやさしく語りかけてくれるのです。
続きはRiceball Networkで!
他にもいっぱい面白い記事が載っているよ〜
今年(2017)の「サティシュと過ごす一週間ツアー」に興味がある人は、ここにクリック。
nonco kanzaki
出版社に勤務後、フリーランスの編集・ライターとして雑誌や書籍の仕事を続ける。現在は、敬愛するサティシュ・クマールの言葉「Soil、Soul、Society」をテーマに、自給自然農の畑と本づくりと執筆と落語に勤しむ日々。晴耕雨読(書)な生活を目指す。最近手がけた本に『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』(小学館)がある。
いつも真ん中には、畑とキッチンと愛がある「サティシュ・クマールのシューマッハ・カレッジとスモール・スクール」
イギリスの南西部にある小さな町、トトネス。トランジションタウン発祥の地として知られるこの町に、シューマッハ・カレッジという学校があります。
ここは、平和活動家であり現代思想家として世界中の人たちから敬愛されているサティシュ・クマール氏(以下、尊敬と親しみの気持ちを込めてサティシュとファーストネームで呼びます)が仲間とともに1991年に設立した大学院。持続可能な社会づくりのための修士課程のほか、ショートプログラムや集中講義もあり、世界各国から多くの人たちが集まる学びの舎です。
サティシュのホームグラウンドであるシューマッハ・カレッジで学んできたエッセンスの一部を、ほんの少しですが、おすそ分け。
サティシュのお話の真ん中には、いつも「畑とキッチンと愛」があるのです。
2年半かけて核保有国を歩いて渡り平和巡礼を成し遂げたサティシュ
まず、サティシュのことを簡単にご紹介しましょう。
1936年、インドのラジャスターン州で生まれたサティシュは、9歳でジャイナ教の修行僧になり、18歳でガンジーの思想に触れて還俗。お金を持たずに徒歩で2年半かけて、核保有国であるロシア、イギリス、フランス、アメリカを旅し、平和を訴えたことで広く知られるようになりました。その後、イギリスへ渡り、エコロジー雑誌『リサージェンス』の編集長を務めながら、環境・平和活動に取り組んでいます。
経歴だけを眺めていると、なんだか「すごい人」とか、自分たちとは別世界の「雲の上の人」と思ってしまいそうですが、サティシュは、どんな人とも分け隔てなくフレンドリーに接してくれる、愛に満ち溢れた人。一度でもサティシュに会った人は、老若男女問わず誰もがトリコになってしまうのです。
Soil(土) Soul(心) Society(社会)の三位一体をベースにしたホリスティックな思想
そんなサティシュの行動と思想の土台となっているのが、「Soil(土) Soul(心・魂) Society(社会)」の三位一体です。
「まずは、Soil(土)。私たちは、土から生まれ、土に還っていく存在で、食べ物も着るものもすべて土から生まれてきます。Soilは、自然界すべてを表す言葉。土に触れているだけで、私たちは癒されます。大地に触れながら、私たちがどこから来たのかを思い出し、感謝をし続けることが大事です。 私たち人間には、土=地球=自然との平和的関係が必要なのです」
「次に、Soul(心・魂)。私たち人間は、自然の一部。支配者ではありません。だから、Soilを大切にすることは、私たち自身、すなわちSoul(心・魂)を大切にすることにつながります。近頃の私たちは、心・魂の大切さを忘れてしまい、物質のことしか話さないようになってしまったようです。けれど、心・魂からイマジネーションがやってきて、アートが生まれるのです。土を耕すのと同様に心・魂を耕し、愛情というコンポストを与え、感謝の気持ちと謙虚さを育みましょう。Soulに栄養を与えれば、誰もがアーティストになれるのです」
「そして、Society(社会)。私たちは、一人では生きていない存在です。共にこの地球に生きる一員として、社会との関わり合いを無視するわけにはいきません。人間コミュニティの一部であることを思い出しましょう。この自然界は多様性によって輝いています。人間コミュニティも同じです。多様性を祝福すれば、戦う必要なんてありません。多様性と統合性は対立するものではないんですよ」
この3つのS「Soil(土) Soul(心・魂) Society(社会)」は、一体であり本来切り離すことができないもの。そのことを軸にして、ホリスティック(ものごとの全体を統合的に捉える視点)でエコロジカルな新しい世界を創りましょう。と、サティシュはやさしく語りかけてくれるのです。
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他にもいっぱい面白い記事が載っているよ〜
今年(2017)の「サティシュと過ごす一週間ツアー」に興味がある人は、ここにクリック。
nonco kanzaki
出版社に勤務後、フリーランスの編集・ライターとして雑誌や書籍の仕事を続ける。現在は、敬愛するサティシュ・クマールの言葉「Soil、Soul、Society」をテーマに、自給自然農の畑と本づくりと執筆と落語に勤しむ日々。晴耕雨読(書)な生活を目指す。最近手がけた本に『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』(小学館)がある。