仲間のじゅんじゅん(順子ちゃん)から送ってもらった記事。佳奈ちゃんはベイエリアのアクティビスト仲間。記事に出てくるAlemany Farmは色んな意味で面白いよ。エディブルシティーって映画にも出てくる、アーバンファームのパワフルな事例。
*テキストは一部省略してます
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環境と身体に優しい食。そして、安全な食
いま、日本や西欧諸国でオーガニック(有機栽培)が注目を集め、最近ではベジタリアン(菜食主義)やヴィーガン(乳製品も食べない完全菜食主義)も増えている。このような食への関心は、SNS世界のおとぎ話ではない。農業界からもパーマカルチャー(※1)やアグロエコロジー(※2)といった新しい農業のあり方が提案され、現代は様々な角度から「食」が捉え直されている時代なのだ。
アーバンファーミングもその運動の一つ。都市の真ん中にガーデンやファームをつくり農業を営む“都市農業”だ。地域と連携を深めながら人々の交流を促すコミュニティファームやコミュニティガーデンも「食を通じて社会を考える場」として機能している。
都市農業でコミュニティづくり
伶奈 佳奈さん、順子さん、よろしくお願いします。最近「健康であれ、かつ地球に優しくあれ」という風潮をどことなく感じていて。でも日本だと、例えばオーガニック食品はとても高価だし、そういった関心がある人は、道徳的に偉いというよりも意識高い系だというイメージがある。もちろん“安全”はよいことだし、食は人間が避けられないテーマだから、もっと身近に考えることができたらいいなと思って取材させていただきます。
順子 ではまず私から、佳奈さんの現在の活動とそれに至るまでの経緯をざっくり聞きたいと思います。
佳奈 大学院の在学中に、モザンビークの農民の活動について研究をしてたの。外国資本や現地政府が推し進める工業的な農業生産と、現地の人が支持する環境や社会に負荷の少ない農業手法の対立関係が当時のテーマ。オランダで研究をしていたときに、現在のパートナー、アントニオに出会って、いまカリフォルニア州ベイエリア在住です。アントニオは2005年にサンフランシスコの中心部でAlemany Farmというコミュニティファームをゲリラ的に開始したの。今は一緒に、Alemany Farmをはじめ、都市農業を広める活動や食料システムを変えていくための制度作りをしてる。
順子 活動を始めたきっかけは?
佳奈 アメリカでもオーガニックの食べ物はとても高くて、例えば低所得層の人は安全な食べ物にアクセスできない。そういう人たちに安全な食べ物を無料で提供する場をつくりたい、というのがこの活動の動機。
順子 Alemany Farmの特徴はどんなところ?
佳奈 Alemany Farmの理念は主に4つ。
1. 安全で美味しいオーガニックの食料を無料で提供:格差や人種の違いに関わらず誰でも安全な食料にアクセスできるようにする
2. 食育の場づくり:世代を超え、食べ物や環境に関する知識を深める教育の場にする
3. 技術訓練の場づくり:持続可能な社会の実現のために自分で食べ物を育てる技術を学ぶ
4. コミュニティづくり:初心者向けガーデニング講座などを開催。多様な仲間から成り立つコミュニティ、コミュニティのリーダーを育てる
2. 食育の場づくり:世代を超え、食べ物や環境に関する知識を深める教育の場にする
3. 技術訓練の場づくり:持続可能な社会の実現のために自分で食べ物を育てる技術を学ぶ
4. コミュニティづくり:初心者向けガーデニング講座などを開催。多様な仲間から成り立つコミュニティ、コミュニティのリーダーを育てる
Alemany Farmでは、働いてくれたボランティア全員に栽培した食べ物を分け与えているの。ここでの労働は教育の役割も担っていて、多様な人たちと食べ物の作り方を学ぶことを通じて「食べ物はスーパーで買うもの」ではなく「育まれた命をいただくもの」という意識変革の場にもなっている。田舎ではなく都会で農業をしているのは、それを押し進める上で一番効果的だから。
今後、誰でも食べ物を作れるようになる技術と知識が大事になってくると思うんだ。未来を見据えた時に現在の社会のあり方じゃどう考えても持続可能ではないと思っているから。だから技術訓練の場としても畑を提供している。実際に、訓練を受けた人が別の場所でコミュニティファームを開くなど、少しずつ拡大はしてると思う。いまでは、Alemany Farmはアーバン・ファーミング運動としてサンフランシスコで一番大きいファームに成長したの。
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