「地球の上でたのしく生きる工夫」がいっぱい! ソーヤー海さんが提案する、都会で始めるパーマカルチャー
地球や人を大切にして、みんなで分かち合いながら生きること――ソーヤー海さんが監修した『みんなのちきゅうカタログ』には、そのヒントが詰まっている。コスタリカのジャングルやアメリカ西海岸でパーマカルチャーを実践してきたソーヤーさん。都会にいても、自分の手で暮らしをつくり、自分らしく生きられることに気づいてほしいと話す。この本に込めた想いと、活動を通じて目指すことを伺った。
自分の力に気づくための「チャレンジ」
――『みんなのちきゅうカタログ』には、牛乳パックを使って植物を育てたり、朝露から水を集めたり、家の周りの生き物マップを作るなど、さまざまな「チャレンジミッション」が載っています。どれもやってみたくなりました。
ソーヤー海さん(以下、ソーヤー) ぜひ実際にやってみて! 僕たちには、思っている以上にすごい力があって、本当は何でも自分たちの手で作ることができるんだよ。でも、若い人たちと話すと、「自分は何もできない」って自信がない人が多い。それは、ただ自分の力に気づいていないだけ。
この本が、そんな意識を変える入り口になったらうれしい。紹介しているチャレンジは、都会に住んでいても楽しくできることばかりなのもポイントなんだ。
――この本は、海外の街づくり事例やマインドフルネスなど、扱っているテーマも幅広いですね。しかも、子どもから大人まで楽しめます。
ソーヤー もともとは「子どもたちが未来に希望を持てる本を作りたい」というコンセプトで、子どもに伝えることを考えていたんだけど、本を作っている間に僕の娘が生まれたの。
それで気づいたのは、子どもたちは想像力も遊び方も豊かで、何も教える必要はないってこと。だから、だんだん大人向けになっていったんだよね(笑)。子どもだけじゃなくて、家族みんなに働きかけるような本だと思う。
<だいぶ省略>
まずは種をまいてみようよ
――確かに、衣食住すべてが「買うもの」で、「自分で作る」という発想はほとんどありません。自分が生態系の一員だっていうことも、ふだんは意識していない……。
ソーヤー そういう意識が変わると、世界はどんどん変わっていく。そのときに基本となるのが「自然や隣の人を大切にすること」、「支え合って、分け合うこと」。
――この本も、「たべる」「つくる」「与えあう」「立ち止まる」などがキーワードになっていますね。
ソーヤー 「お金がない」「時間がない」という不安ばかりで幸せになれない経済や政治を続ける意味なんてないよね。でも、実はその暮らしを選んできたのは僕ら自身でもある。そこに気づくのも大事。
だったら、もっと自分たちが望む未来を描いて、自分たちの手で実現していけばいい。僕らは家を建てようと思ったら建てられるし、食べ物だって育てられる。今の世の中にない何かを創造することだってできるんだから。