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東京アーバンパーマカルチャー(TUP)の世界へようこそ!

このブログでは僕のワークショップ(WS)やイベントの告知をしています。
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東京からサステナブル(持続可能な/共生的)社会を育むための実験と実践を行っています。
世界の最新情報やスキル(技術)を学び、
それを体感型のワークショップで日本に紹介しています。
パーマカルチャー、非暴力コミュニケーション(NVC)、禅(マインドフルネス)、
システム思考、ユースのエンパワーメントなどが活動の軸です。
活動仲間や企画者を常に募集しています。
よろしくお願いします。

次世代のためにも、一緒に平和で希望のもてる社会を創作していきましょう!

Thursday, October 17, 2019

【アズワン鈴鹿コミュニティ】実践者としての学び



アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ
やっといけた
(日本語力不足でまとまりのない記事かも)




何年もトランジションタウン関係者や
アクティビストブラザーの辻信一さんから
オススメされていたんだけど
どこか抵抗があった

でも、アズワンの一員でもあって
Global Ecovillage Network (GEN) Japanの代表である
ひろこさんとしあわせの経済の活動をしたり
何度もアズワンのメンバーに
やさしくお誘いされて
やっと行く気持が成熟した

なぜ、抵抗があったのか?
明確には分からないけど
資料やホームページがピンとこなかったり
どこか「怪しい」(めっちゃジャッジ!)と感じてたり
(これだけ怪しい僕が言うのもなんだけど)
都会の影響を受けてきたのもあって
自分が鮮麗されたホームページや
「新しそう」なものにひかれる傾向があることに気づいた
周りにアズワンにたいして懐疑的な人たちも
何人かいるのも大きな影響になっていた

でも、アズワンに来てみて
すごく大事な学びと気づきと出会えた

安定していて、なにも派手じゃない
いたって「普通」な感じのコミュニティ
地味?主張があまりない?
言葉にしにくいけど
韓国から来ているアカデミー生がこういってた
「アズワンにいるひとは
何か特別にたけている感じがない。
普通な人たちの集まり」

会う人会う人
落ち着いていて
柔らかいやさしさを感じた
みんな余裕がある雰囲気があった
なぜ?


今回は、アズワンを知りにきたのと
ついでに辻さんとしあわせの経済の
プレイベントをする訪問になった
そこで、感じたことや学んだことをシェアしたい


最初の二日間はアズワンツアーに参加した 

アズワンの概要のプレゼンからはじまり
自分がやってきた活動と
共鳴する部分が多かった。
ナイススタート

次は、具体的な取り組みの現場巡り
僕の周りでたびたび話題になっていた
おふくろさん弁当会社が最初の訪問先

おふくろさん弁当

規則も命令も上司も責任もない会社
その説明は以下のyoutubeがオススメ

NHKおはよう東海の取材



 NVC仲間の水城ゆうさんが行ったインタビュー


「経営係」をしている
31才のたけみちくんが話してくれた

まず、たけみちくんはすごく穏やかな雰囲気で
質問に答える前にゆったりとした間がある
余裕のあるスローな感じ

印象に残った言葉は
「人が人らしくいられる」ために
弁当屋をやっていること
効率や利益をあげることの話がほどんどない
みんながほんとうに願っていることが
できるように働いている人を観察する
「人のしあわせ」が目的で
弁当屋という取り組みは手段

ある作業にたけている人が
苦しそうにしていたら
その人に声をかけて
他の作業をやってみないかと
話しかけてみる
効率は落ちるけど
判断基準はみんなのしあわせ
そしてみんなでお互いを
観察しながら支え合う
資本主義教の常識と違いすぎて
ちょっと理解が追いつかない感じがあった
(恐るべし常識)
 そんなのでビジネスが成り立つのか?!!!

アズワンのホームページに
お金の介在しない経済
という面白そうなページがある


SCIENZ SCHOOL

お弁当屋の後は
鈴鹿カルチャーステーション
(アズワンのコミュニティセンターみたいな場所)で
アズワンの重役を担うサイエンズスクールの紹介があった

HPより
人の成長には、身体の健康や技能の習得も大事ですが、サイエンズスクールで主眼に置いているのは、人間性の成長、すなわち「心」と「知性」の成長です。
誰もが生涯を通して、心と知性を培い育て、豊かな人生を送ることを目指しています。
そのために、サイエンズスクールでは、安心した環境の中で、自分をみつめ、人や社会について、その根本から探究する機会として、現在では、毎週連続的に約7種の各コースを開催しています。


体験したことがないから内容は分からないけど
このコミュニティのなかで
もの凄く重要な機能を
果たしていることが印象だった

このコミュニティの世界観や価値観を
つくったり、維持したり、強化する役割が
あるんじゃないかな
例えば、自分を観察することの大切さだったり
正しい・間違っているという軸ではなく
自分がなにを願っているのかに
焦点をあてることとか

どんな教育機関でもその社会で
もの凄いパワフルな影響力をもっているよね
学校、大学、企業研修、教会や寺、道場
人の世界観や価値観を誘導する場所
一般社会と違うあり方を実現するためには
こういう教育機関は欠かせないものかも

サイエンズスクールの実体験が
ないからスクールについてはここまで


サイエンズアカデミー
アズワンの寮のような場所にうつって
長期滞在している若者のお話を聞かせてもらった
中には、仲間の辻信一さんの元ゼミ生もいた
彼の他には韓国とブラジルから来ている若者

いろんな話をしたけど
みんなの話の共通点は
自分を見る(観察)こと
人に見てもらうこと
自分がなにを本当に
願っているのかを問いかけること

一つ面白かった話
あるコミュニティの人に
「ジエーゴ、お前のことが気にいらない」
とブラジル人のジエーゴが言われた
ジエーゴはそれを言われた時に
「彼は僕のことが気にいらなのか。
じゃ、僕はなにを願っているんだろう?」
と自分に聞いてみた。

そしてジエーゴは微笑みながら
「僕は、君に気に入れられたいんだ」
と素直に伝えた

なんか、素敵なやりとりに感じられた
そういうことが素直に伝えられる関係性や
ジエーゴが「気に入らない」に囚われずに
「気に入れられたい」に
自分の意識を向けられたこととかが素敵
ありのままを伝え合う人たち


鈴鹿ファーム

翌朝、子供の自主保育も担っている農場で
農場ビジネスを紹介してもらった
経営係を担当している36才の
こういち君が案内してくれた
彼もまたやさしく、穏やかな感じの人

タマネギの苗作りや
オクラの袋詰めが行われていた

ちょっとびっくりしたのは
慣行農業でやっていたこと
エコビレッジという名だったり
僕の周りでは有機無農薬があたり前すぎて
勝手に有機農法や自然農法とかで
やっているとイメージしていた

じゃ、何が特別なのか?
ここも、おふくろさん弁当と同じく
働いているひとが
自分らしくいられることを最優先している
大事なのは人の成長

「それでビジネスとして成り立つの?」
ってついつい聞いてしまう

「極端をいうとつぶれてもいいと思っている」
っというようなことを彼が言って
ちょっとビックリ

そこにいる人の成長、
みんなが本当にしあわせになることが目的で
農場を営むとかビジネスをすることは
それを満たすための手段
必要なくなればやめて
また、みんなが願うものをつくればいい
というような余裕のある話をしてくれた

面白い!



*濃厚な感想とまとめ*

とっても有意義な時間が過ごせて
僕は好印象だった

会う人会う人
やさしく
間を大切にしながら
余裕をもっていた

僕の周りには活動的で
刺激的な人が集まりやすいから
(僕がそうだからかな?)
「ふつう」な感じが
かえって新鮮だった

コミュニティ全体が
同じ表現を使い続けていたのが印象的だった
「人が人らしくいられること」
「自分を見る」
「人に見てもらう」
「本当は何を願っているんだろう?」

僕の周りはNVCの実践者が多いから
「自分らしく本音で生きる」
「自分のニーズとつながる」
「共感してもらう」
「何を大事にしているのだろう?」
と似たような表現が飛び交う

ツアーで話した人たちが
定期的にサイエンズスクールに
参加していることも気になった
(お弁当屋やファームで働いている人も)
そこにこのコミュニティを成り立たせる
重要な引力・統合するパワーが
作られているのじゃないかな

おふくろさん弁当や
鈴鹿ファームが
あれだけ余裕ある感じや
利益・経済的効率に焦点をあてるのではなく
人の成長にフォーカスしているのは
サイエンズスクールで教えていることから
産まれているのだろうと思った

そして、さらに
コミュニティが
みんなを支える土壌であることも大きい
孤立したビジネス・事業ではなく
コミュニティが求めているものとして
弁当屋やファームが存在していて
必要なくなったら、なくなる
「ビジネスを存続しないと」がない
目的はビジネスではなく
人が活かされること

信頼のある関係性が
ここのコミュニティの特徴なのかも
みんながいれば仕事を失っても
お金がなくなっても生きていける

コミュニティという
うつわに守られているのだと思った
お互いを支え合う土壌がここにはある
その土壌がなければ
同じようなことをやろうとしても
成り立たないと思う

パーマカルチャーや有機農業(自然農も含め)で
よく聞く話があって、それは
植物を育てているのではなく
土(土壌)を育てている
土の生態系が健康であれば
植物が元気に育つ
土壌が不健康だと
慣行農法のように常に
外から持ち込む肥料を与えたり
弱い作物を守るために
農薬や除草剤を使う必要が出てくる
人間社会も同じような感じじゃないかな?

アズワンの「土壌」が羨ましかった
夫婦喧嘩や家族内の悩み
自分が抱えているあらゆる課題を
聞いてくれる人が常時何人もいる
ジャッジせずに
なにを本当に願っているのかに
焦点を当ててくれる人たちが近くにいる

アズワンの若者が言ってたのは
おじいさん、おばあさんや
色々経験してきた年上の人たちが
あたたかく話を聞いてくれることが
大きなこころのささえになっていたこと
「彼らに見てもらえる」と何度か聞いた

そこが羨ましいなって感じた
夫婦喧嘩で自分ではどうしようもなくなったり
なにをしたいのか分からなくなったり
コミュニティ内で分裂がおきて辛いとき
あたたく支えてくれる
いつでも頼れる余裕のある人達が
近くにいる安心感ってどんな感じなんだろうって

僕は「僕がなんとかしないと」って
思考にとらわれがちで
いつでも仲間の仲介をしようとしたり
自分としっかり向き合おうとしたり
(修業っぽく)
でも、個人の力量では無理が生じたり
立場(リーダー、先生、責任者、お父さん)から
生じるプレッシャーと色んな人からの評価/批判に
押しつぶされたりしてきた
社会に存在するよくあるパターンじゃないかな?
パターンが見えてても中々超越できない

お祝いとしては
TUPの生態系やいすみのコミュニティが
それに近いことをやってきていること
ずいぶん仲間達に支えられてきたし
それがあったから今も生きているんだと思う
ジャッジ(批判や評価、正しさ)より
本音と共感に意識を向けてくれる
あたたかさを感じさせてくれる大切な仲間達

アズワンで感じた大きな違いは
生活をともにしているコミュティーだから
いつでも誰かがサポートにいることかも
僕の周りは動く人が多いから
必要なときに近くに頼れる人が
いないことがたびたびあったり
いたとしてもみんな余裕がなかったり

アズワンには人の話を聞くことが
「仕事」の人が二人いるみたい
コミュニティ全体の健康や
資源の循環や
個々人、夫婦、家族の状況を
確認してサポートする人たち
HUBとよんでいた
どんなコミュニティ/地域でも
そういう人達がいるといいね
長老的な存在


僕のもう一つ大きな悩みが子育て
夫婦二人で子育てをするのは大変
(ましては一人なんか想像もできない)
余裕がなさすぎて
子育てという美しいプロセスが
タスクになってしまいがち
ヘレナ・ノーバーグホッジがよく言うのは
子育ては本来コミュニティでやっていたこと
グローバル経済により
コミュニティが細分化してしまい
核家族でお金や子育てをやらないと
いけなくなったことが
現代社会の悲劇のひとつ
さらに、個人(親)の責任だと
社会のさまざまなところから
常にプレッシャーがかかっていて
それに悩まされている
親は少なくないんじゃないかな?

どこかの地域でこういう表現がある
IT TAKES A VILLAGE TO RAISE A CHILD
こどもを育てるためには村がいる

自分の子供として育てるのではなく
みんなの子供として
コミュニティで育てたいのだけど
それぞれの親達は自分の子供で精一杯だったり
近所のお年寄りと縁がなく
活動している若い仲間達と
一緒に育てようという流れが
なかなかできない
どうすればより多くの人と
余裕のある楽しい子育てができるのか?
どうすれば、コミュニティで子供を育てる
文化を再生できるのか?

アズワンではみんなで子育てを支え合ったり
子供達のために自主保育/フリースクールを
つくってみたり
コミュニティとして子育てに
取組んでいるように聞こえた
赤ちゃんからお年寄りまでが
密なコミュニティとして暮らしていることが
それを可能にしているのかもしれない

豊かな子育てをするための
サポートが本当に欲しい!
ってよく思う
子供をちょっと見てもらうのではなく
一緒に子供の成長に関心をもって
みんなの子供として共に育てていく仲間
必要なのはコミュニティというウツワなのかも


継続の凄さ
アズワンに関心がある大きな理由の一つは
18年もこのコミュニティが続いていること
2001年に活動が始まった
コミュニティを立ち上げるのは勢いでできるけど
18年コミュニティを継続させるのは
かなり忍耐力と機能するデザインが必要だと感じている
僕もパーマカルチャーと平和道場を3〜4年やってきたけど
とても大変な道のりだったし
まだどうすすめたらいいのかが明確に見えない

今の時代、何百、何千年も続いてきた
村や町が過疎化で消えていっている
コミューンやエコビレッジも
次々と崩れてしまっている印象がある
新しいコミュニティも産まれているけど
まだ出だしの勢いのフェーズにある感じがする
内部で大きな行き違いや対立、
経済的な困難を乗り越えて進化してきた
実績のあるコミュニティは珍しい

豊かに継続するコミュニティには
なにが必要なのか?

閉鎖的で窮屈なコミュニティではなく
自由で安定がないコミュニティでもなく
みんなが生き生きとして
これは私の大切なコミュニティだから
続いてほしい、支えていきたい
って思えるコミュニティ

アズワンの初期のメンバーは
大変な道のりを乗り越えてきて
ここまでやってきた感じがする
いろいろ彼らから学べそう
彼らみたいに研究所をするのは
良い考えかもって思ったり
(そんな時間があるのか?)

アズワンの核となっている
サイエンズスクールは
まだ体験していないから
僕の感想は4日間の滞在から
感じたものだけど
とてもよい刺激になった。

僕の周りでは賛否両論あるけど
「コミュニティ」に関心がある人は
一度は体験してみるといいと思う

アズワンで何度も聞いた問いが
今でも頭のなかでくり返される
「本当はなにを願っているのだろう?」





*僕の解釈なのでアズワンの実態と
違う部分もあるかも