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Thursday, December 19, 2019

【Greenzの記事】ポートランド・シティリペアのまちづくり〜たった一つの交差点が法律を変え、世界を変える



Greenz.jpにすてきなアーバンパーマカルチャーの記事が投稿されてたよ。僕のインスピレーションになっているポートランドのシティリペア運動。2012年からプレゼンやワークショップでずっと紹介してきた感動的なこれからの時代の「地球市民ストーリー」。

毎年9月に開催している「人生が変わるパーマカルチャーツアー」の訪問先でもある。記事に出てくるマークの家にみんなで泊まりながら、創造的で楽しい革命を肌で実感する機会。毎年、5月〜6月に行われるVillage Building Convergenceも参加できる人はオススメ。


記事の一部(全文はGreenz.jpで!)

ポートランド・シティリペアのまちづくり〜たった一つの交差点が法律を変え、世界を変える
日本における「まちづくり」の文脈で、その”お手本”としてあまりにも有名になったアメリカ・オレゴン州のポートランド。年間を通じて視察に訪れる人々が後を絶たないこのまちには、行政サイドでのインフラ改革や都市開発視点での見所はもちろんのこと、その土壌をともに耕し育んできた多様な市民活動が数多く存在します。
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1996年にはじまったNPO「シティ・リペア」が牽引する「交差点ペインティング(Intersection Paintings / Street Paintings)」。ポートランドの行政と市民とをつなぐシティ・リペアの活動は今や全世界から注目され、毎年6月に10日間に渡って行われる年に一度の彼らのお祭り「Village Building Convergence(以下、VBC)」には年々多くの人々が参加し、交差点ペインティングなどのプロジェクトを体験しています。
わたし自身も、2015年春に初めてポートランドを訪れた後、その年の秋に初来日したシティ・リペア創始者、Mark Lakeman(マーク・レイクマンさん)と出逢い、2016年・2017年には実際にVBCに参加しました。
ポートランドのあちこちで交差点を塗ったり、コミュニティ・ガーデンの手入れをしたり、小屋を建てるお手伝いをしたり。みんなで体を動かして何かを「一緒につくる」ことが真ん中にある、パワフルなまちづくりの風景。
それは、近所に住む人々同士の対話から生まれた「楽しそうだからやってみよう!」という純粋な遊びごころが起点の、コミュニティによるコミュニティのための行動。前例や法律は一旦置いておいて、自分たちに本当に必要なものは何か? を突き詰めたシティ・リペアのあり方こそが今のポートランドのまちづくりの一端を担い、住民一人ひとりの力が発揮される魅力的なまちへと進化させたのです。
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植民地時代以前の町並みが残る西ヨーロッパのまち、エジプトの遺跡や現代のイスラム文化。ニュージーランドのマオリ族や中央アメリカの先住民も訪ね、行く先々で「僕の何がおかしいんだろう?」そして「この世界の何がおかしいんだろう?」と問いかけて歩いたと言います。
旅の途中、気づいたことがありました。道には人々が行き交い会話が生まれ、商売が生まれ、ちょっとした「空間 / space」が「場 / place」になっている。アメリカの車社会の中に住んでいると忘れてしまう感覚に出逢ったのです。
マークさん 車がなかった時代には、家と家との合間にある道こそがいろいろなつながりが生まれる場所だったんです。世界各地で愛されている観光地だって、人が散歩できて、座って話ができるような広場があちこちにあるでしょう。私たちは当たり前のように、道路は車のものだと思い込んでしまっているけれど、本来は私たちの、人々のものなのです。
マークさん 先住民たちはその土地と、自然とつながり、小さなコミュニティをベースにシンプルに生きている。帝国主義の世の中になってしまってから、アメリカをはじめ植民地支配をする人たちは遠隔操作で社会をつくってきたわけです。
単一的に同じような形でまちを複製し、効率的に社会を拡大していったけれど、資源がどんどん中央に吸い上げられていくばかりでコミュニティに戻ってこない。そこに住む人たちが自分たちの暮らしにインパクトを与えられなくなってしまったんです。
コミュニティの人がパワーを発揮したいと思っていても、これだと回らない。自分のパワーが社会に反映しているんだという実感はすごく大事なんですよ。
自分自身の効力感が持てないことが孤立感を高め、社会を分断し、やがて犯罪率の上昇にも繋がりうる。現代社会の負のループが都会の暮らしに顕著に現れていることに気づいたマークさんはポートランドへと戻り、この病から脱するための”村づくり”をはじめていきます。
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近くの交差点をカラフルにペインティングし、周りにベンチや掲示板、いつでもお茶が飲めるティースタンドを設置するといったアイデアが持ち上がり、行政に相談に行くと、もちろん答えはNO。それでも、”同じ釜の飯を食った”コミュニティの絆は強固! そもそも法律なんてまちを効率的に成り立たせるための規則に過ぎないんだからと、ゲリラ的に実行することに。
マークさん 「法律を破る」というつもりではなく、「自分たちが望む法律をつくる」という気持ちでやったんです。古来から人間はそれぞれの暮らしの間にあるスペースを占有して、公共の、みんなが集える場をつくってきた。それを現代社会でやってやろうという気持ちでね。
やった後はもちろん怒られるわけですが(笑)、こんなにメリットがあるんだということをちゃんとデータを取って持って行きました。すると風向きが変わったんですね。
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行き交う車の速度が確実にゆっくりになっていること。住民たち全員の”所有感”が高まったことで見守りの意識も高まり、より安全になったこと。子どもたちにとってもより安心できる場所になったこと…。リサーチの仕事をしているコミュニティの住民が丁寧にデータを取り、資料にまとめ行政に提案したことで、最終的には市長が決断し、法律が変わることになったのです。
マークさん こうしたポートランドでの問題解決の仕方がきっとこの先、世界をインスパイアするだろうということで容認されたんです。交差点がコミュニティをつなぐ場に、人間の芸術表現の場になった。そして何より、全米で初めて、その時その場所に暮らしている人たちが参画して法律までをも変えたという一つのイノベーションの事例になりました。
2000年、ポートランドの行政が正式に条例を制定したことによって、ポートランドにある17,000もの交差点がそこに住む人々の意思によっていかようにもクリエイティブに変えられるという可能性を持つことになりました。
この1ブロックの住民たちの発想と行動が大きな意識の転換を生んだわけですが、これを認める行政の柔軟さもまた、ポートランドならではと言えます。一人ひとりの行動が実際に何かを変え、コミュニティへの効力感が増すことでよりまちへの愛着が高まっていく。その愛着こそが、まちを魅力的にする最も重要なパワーとなっていくのです。
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マークさん 核となるのは “Neighborhood Scale” =ご近所の規模のつながりを取り戻すこと。そしてそれが ”City Scale” =ポートランドのまちの規模に拡がり、そのネットワークがきっといつか ”Planet Scale” =地球規模になっていくことをイメージしています。
それぞれが自分のコミュニティに注力し、力を発揮していく世界へ。
マークさんたちの行動、そしてシティ・リペアの方法論は、私たちに大きな勇気を手渡してくれます。
まずは対話をはじめ、自分たちが本当にほしいものはなんだろう? を考えていくことから。法律に触れずとも、行政の許可も取らずに自分たちの範疇でできることもたくさんあるはずです。小さなことからはじめて、コミュニティ・エナジーを高めていったその先には、行政との協働や条例・法律へのチャレンジも待っているかもしれません。
まずは、自分たちの住むまちのことを、自分たちの手で。
ご近所さんとともに、美味しいごはんを一緒に食べることから。

全文はGreenz.jpで! オススメ!!!



海のコメント/補足

マークが語るとき、彼はいつもコミュニティにいる人たちの話をする。この人がこんな素敵なことをして、この人が昔は抵抗をしていたけどその後にこんな素晴らしい変化をして、ここにはこんなに優しい人がいて。。。あまり、自分の話をしない。コミュニティのムーブメントだから、コミュニティの人たちのストーリーを語ることを大事にしているんだと思う。パワフルなリーダーの話ではなく、近所にいる日常のヒーロー達のムーブメント。

「この1ブロックの住民たちの発想と行動が大きな意識の転換を生んだわけですが、これを認める行政の柔軟さもまた、ポートランドならではと言えます。」って書かれているけど、実はポートランドはパブリックスペースがない街だったらしい。マークのお父さんが、80年代にパブリックスペースに猛反対する市長と行政と戦って、市民デモから初めてのパブリックスペースを作られたという話を聞いたことがある。今の注目されているポートランドを育ててきたのは、ビジョンを持って立ち上がった市民。そういう流れから、行政の姿勢が変わって、市民に選ばれる市長も変わる。ポートランドだからできたのではなく、ポートランドの市民が立ち上がってできた。日本でもいろんな面白い動きがあって、僕は千葉県のいすみ市や東京の世田谷区とかが面白いと思っている。


この記事や僕のはなしだけを聞くと、ひたすらうまくいったように聞こえるかもしれないけど、ものすごい大変な道のりでもあったみたい。警察、行政、近所の人に止められたり、抵抗されたり、内部での揉めあいなど。どこで活動しても同じなんじゃないかな?。大切なのは、それをどう乗り越えたのかだと思う。パーマカルチャーの合い言葉 "the problem is the solution." ゆっくり、関係性を育んで行って、近所の人から味方にしていく。ワクワクするビジョンを共に想像して、絆と信念を深めていく。「ノー」を受け止めながら、「yes」に変わるために何が必要なのかを試行錯誤で探していく。諦めない。ユーモアをふんだんに。って感じで僕は理解している。


さあ、近所の人に話しかけて、革命を始めよう!