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Saturday, September 8, 2018

【WIREDの記事】来るべき時代の「有機的なコミュニティ」

この前、WIREDからの取材があって
記事が上がった。

以下、レミちゃんがMLに流した内容

WIREDさんで、TUP道場プロジェクトのクラウドファンディングの経緯について、鈴木菜央さんとソーヤー海くんが話しています。

クラウドファンディングのプラットフォームにいつもTUPが使っているモーションギャラリー代表の大高さんとの対談です。

菜央さんが情熱をかけている、いすみの地域経済促進(ローカリゼーション)や、海くんのお金への態度がくっきりでていて読み応えあると思います。

https://wired.jp/2018/09/04/motion-gallery_permaculture-ws/

ーーー以下抜粋ーーー

「クラウドファンディングって誤解されがちで、単なる先行販売サイトとかアイドルのお布施みたいなサイトだと思われてしまう。でもお金を出すこと自体がある種の投票行動だし、自分の意志のもとで行う再分配だったりクリエイティヴなお金の出し方だったりする。だからクラウドファンディングによってぼくらの社会がクリエイティヴで多様になるんじゃないかと。」

という大高さんに返して、海くん。

「クラウドファンディング自体が俺のなかでは妥協だからね(笑)。でも、クラウドファンディングは資本主義の世界と俺が目指す「ギフト」の世界の接点だと思う。いまの資本主義は優しさや思いやりを奪っていて、人を幸せにしていない。だからこそ、資本主義の中心地でそれとは異なる経済の実践をしたいと思ってる。そういう意味で、クラウドファンディングはふたつの世界を繋ぐ接点だし、メディアでもある。」


 ***WIREDの記事***



従来の社会のあり方を見直し持続可能な環境をつくる「パーマカルチャー」を実践する場が千葉県・いすみ市に存在する。「平和道場」と名付けられたその場所は、クラウドファンディングを利用することで2017年に生まれたものなのだという。平和道場を率いるソーヤー海と鈴木菜央、MOTION GALLERY代表の大高健志が、この不思議な場が実現した「有機的なコミュニティ」について語った。

近年、「パーマカルチャー」という概念が注目を浴びている。従来の社会のあり方を見直し持続可能な環境をつくろうとするこの概念は1970年代に生まれ、農業に留まらず世界中でさまざまな実践が行われている。

ここ日本においても、パーマカルチャーを実践する者はいる。「東京アーバンパーカルチャー」の創始者であり『アーバンパーマカルチャーガイド』なる書籍も出版している「共生革命家」、ソーヤー海は日本を代表するパーマカルチャーの実践者のひとりだといえるだろう。

そんなソーヤーと、同じくパーマカルチャーに魅了されさまざまな取り組みを行う「greenz.jp」編集長の鈴木菜央は、千葉県・いすみ市にパーマカルチャーを実践するスペースをつくり出した。「平和道場」と名付けられたこのスペースはMOTION GALLERYによるクラウドファンディングを通じて生まれたものだ。

累計1,000名近い人々が関わる一大プロジェクトへと成長を遂げた平和道場は、いまも老若男女を問わずさまざまな人々が訪れ、思い思いの活動にコミットする独自のコミュニティをつくり出している。果たして平和道場はいかにして生まれ、これからどこに向かおうとしているのか。

大高健志(以下、大高) 初めて鈴木さんとご一緒したのは、「リトルトーキョー」というコミュニティスペースをつくるときでしたよね。立ち上げの費用を集めるためにMOTION GALLERYでクラウドファンディングをしていて。

鈴木菜央(以下、鈴木) 変わった建物をリノベーションしようとしていて。お金が足りないということになってクラウドファンディングをしてみようという話になったんです。

大高 そのプロジェクトは無事に成功して、その後ソーヤーさんが『アーバンパーマカルチャーガイド』という本を出すときにクラウドファンディングでご一緒しました。

ソーヤー海(以下、ソーヤー) 当時ぼくは本がつくりかったけど、書きたくないしお金もないしプランもなかった(笑)。どうやらクラウドファンディングというお金が集まる「魔法」みたいなものがあるらしいと聞いて、大高さんとやったら成功したんだよね。

大高 本も結構売れましたよね。書店でも平積みされていて、発売されてしっかり広がっているのを見て感動しました。今回のプロジェクトでは「本」からリアルな「場所」へと発展してますよね。

ソーヤー 当時は未知の仕組みだったけど、クラウドファンディングって「ファンディング」というより「メディア」なんだなと思った。具体的な応援手段ができると人を巻き込みやすいし、色々な人に新しい発想を広げていける。それは面白いなって。今回の平和道場も世の中になかった発想で、深い哲学やこの文化のノリをどう広めていくかが大事。ただお金を集めるというより活動を広げるところに面白さを感じたかな。

鈴木 クラウドファンディングってお金を民主化するひとつのプロセスだと思う。これは新しい「税金」だと思っていて、実現した方がいいと自分が思っていることにお金を直接渡せるので気持ちいいですよね。中央政府にみんながお金を払って分配すると、どこにどう使われるかわからないし信じていないことにも使われてしまうから。

土壌を育てて次世代につなげる

大高 平和道場はプロジェクトページで公開した動画がすごくよかったですよね。テキストだけだとわからないヴィジョンや感覚が伝わってきた。みんなでつくってる感じがすごく出ていて。

鈴木 あれも道場の掃除を手伝ってくれた人が撮影してくれたんだよね。持っていたアタッシュケースからドローンが出てきて、「じゃあ撮影しまーす」とか言って(笑)。

ソーヤー 色々な要素があるから面白いよね。ただのお金じゃなくてストーリーに心を動かされてみんなが支援してくれる。信頼資本があるから。色々なかたちの資本が動いてるのが面白いと思う。掃除ひとつとっても、これまでだったら業者に掃除してもらってたけど、うちらは「お掃除パーティ」といって騙して(笑)。でも、その方法をとったことでドローンで撮影できる人が参加したりする。どうやったら資源が循環するのか、うちらが実験してる部分もある。

大高 リターンのつくり方もグッズをプレゼントするんじゃなくて「掃除を手伝う権利」とか、お金を払って掃除も手伝わされるんだけど(笑)、仲間として場所をつくっていくのが逆転の発想で面白かったですね。お金を集める手段に振り切ってマーケティングに行くとメッセージがぶれてしまうので、平和道場はその軸が見えているのがすごくいいプロジェクトだなと思いました。それに、本から場所へ広がってコミュニティ自体が発展しているのが面白いなと。

ソーヤー その進化が面白いよね。本だけだと遠いところの面白い話で終わってしまうけど、土壌をつくっていくことで場ができる。

大高 学生の人も参加して、次の世代に広がっているのがいいですよね。

ソーヤー 次に繋げるプロジェクトしかしていないから、それは重要な部分だね。

大高 「打ち上げ花火」で終わるデザインにはしていないというか。お金を払う側からすると、それは安心感にも繋がりますよね。

鈴木 メディアをやっている人間からすると、クラウドファンディングってメディアとしてよくできてるなと。ぼくらもこのプロジェクトにどういう意味があるのか、何となく理解していても明文化していなかったけれど、プロジェクトページをつくる作業を通じてクリスタライズされてくる。それ自体がぼくらの活動にもなっているのが面白かった。だからあのページに平和道場のエッセンスとか本質がまとまってるんだよね。

ソーヤー あのページが公開されたときは、「これがわたしたちです」みたいな感覚があった。変なものを出すとプロジェクトからもずれちゃうし。応援メッセージをもらうと自信もつくし、ファンディングしてくれた人からのメッセージもある。何百人という人が応援してくれて、その応援のなかで活かされてるんだっていうのが気持ちいい。

鈴木 応援メッセージを頼みに行くのも関係性づくりのひとつだったりするから、色々な関係性が豊かになるよね。


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