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Saturday, March 5, 2016

3.20.2016『ナウトピアヘ〜〜サンフランシスコの直接行動』(堀田真紀子著、インパクト出版会)をめぐって


3月20日(日)17時30分~19時30分
ナチュラル&ピースSHOP + オーガニックベジCAFÉ ふろむあーす & カフェオハナ
東京都世田谷区三軒茶屋1-32-6246 Tel/Fax:(03) 5433-8787
参加費無料。ドリンクか食事、1品以上オーダーしていただければと思います。活動資金として、ドネーションを募る予定です。参加してくださる方は、堀田真紀子までメール(makikohorita(a)gmail.com)ください。
私の近著『ナウトピアヘ』のあらましをベースに、
暮らしの質、幸福感を大切にしながら、新しい世界をつくる人たちにエールを贈り、みなさんの経験やアイデア、ノウハウを持ち寄るためのお話会です!
節電できない同居人にイライラしながら、つけっぱなしにされた電気を消してまわるのは疲れるし、角が立ちます。でも、ろうそくの明かりでくつろいでディナーをしたり、キャンプに出かけて薪がパチパチ燃える火の暖かさを一緒にたっぷり堪能した後で、「でも、電気のエネルギーを使うと冷たいよね、火をなるだけを生活に取り入れてみない?」と切り出すと、「なるほど」とスムーズに伝わるでしょう。
ナウトピアとはそんなふうに、自分がみたい世界のポジティブな「質」を今、ここに解き放ち、それを直接、周りの人と体験することで広げていく社会運動。
サンフランシスコを中心としたアメリカ西海岸は、60年代カウンターカルチャー、ヒッピーなどの発祥地だけあり、いまも、直接の行動による社会運動がさかんなところ。この伝統の肝を、郷土史家のクリス・カールソンがまとめた言葉です。
ユートピアは今、「どこにもない」ことを前提にするのに対して、ナウトピアは、今、ここにあることを前提にします。「えっ今、ここにあるのは、理想とはほど遠いんでない?」と言われるかもしれません。でも、「じゃあ、あなたはどんな世界に住みたいですか?」と聞かれて、何かイメージが湧いてくる人なら、すでに、その世界で思い描いている生活の質、クオリティは、すでにあなたの中にあるってこと。それを大切に養い、育てながら、今、ここで表現していこうよという誘いです。
私たちはふつう、自分の望む世界は、何か外的な条件が満たされなければ実現しないと考えがちだ。「お金と時間があれば、戦争が止められれば、脱原発できれば・・・安心して暮らせるのに」というふうに。もちろんそれは、重要なファクターだけど、それを躍起になって追求するなかで、そもそも夢見ていた生活の質が見失われるといった本末転倒も起こしかねません。また、その条件だけを満たしたところで、それだけで、本当に私たちが望む世界が生まれるかというと、疑問だったりもしますね。
でも、そうした条件がクリアされた後にくる世界として自分が思い描いている生活の質、クオリティならば、今、ここで先取りして味わえます。たとえば、「安心して暮らす」ってどういうこと?と問いただす。それは私たちの幸福のイメージそのものなので、いくらでもひたれるし、それにひたってると、さまざまなかたちで、今、ここで、既にこの質を表現できるってことにも気づくでしょう。それをみんなと共有できるような行動に落としこめば、それ自体、パワフルな社会運動になる。ベトナム反戦運動が過熱化して、アグレッシブな平和運動になりかねなかったとき、アレン・ギンズバーグの提案の下、フラワーチルドレンたちが道行く人に花を配るアクションをはじめたのはそのいい例といえます。彼らは未来の世界から現れた使者のようにふるまいました。デモ隊を警戒して、銃を構えていた警官の銃口にも花をさしていったエピソードは、あまりにも有名。そんなふうに、理想世界の質そのものを、ストリートで、日々の生活で、仕事で表現しながら、「何が素敵か」といった文化の基準、世論のムードを少しずつずらしていくうちに、振り返ってみると「戦争なんて、原発なんて考えられない!」そんな世界が生まれているかもしれません。
この会では、私が著書『ナウトピアヘーーサンフランシスコの直接行動』(インパクト出版会)をベースにしながら、ナウトピアの考え方、そのメリット、必要性について説明した後、素敵なゲストの方達を中心に、みなさんのナウトピア建設の提案や実践経験について、お話を伺えたらと思っています。
スタッフ・プロフィール
堀田真紀子 
福岡県生まれ。一九九四年より北海道大学で教鞭をとる。専門は芸術の社会機能。近年、札幌から夕張郡へと段階的な移住をすすめる。二〇一五年三月、これらの場の運営と、田舎暮らしを本格化させるため、北海道大学を辞職。近年札幌から夕張郡へと段階的な移住をすすめる。二〇一五年三月、これらの場の運営と、田舎暮らしを本格化させるため、北海道大学を辞職。
ソーヤー 海
共生革命家。東京出身、太平洋沿い育ち。カリフォルニア州立大学サンタクルーズ校(UCSC)でサステナビリティー教育を学生と共に設立し、その後、意識を深めるためにコスタリカのジャングルに移住。現在、東京で都会型パーマカルチャーと共感コミュニケーションなどを実践しながら教えている。ギフトエコノミー(与え合いの生態系)で成り立つ「東京アーバンパーマカルチャー(TUP)」を主宰、全ての命が大事にされ、みなが活かされる文化を創造中。『Urban Permaculture Guide 都会から始まる新しい生き方のデザイン』監修
佳奈・ロマン=アルカラ
食料システム研究者・翻訳家。オランダエラスムス大学/東京大学修士。専門はアフリカの農業政策、農業投資、持続可能な食料システム、アグロエコロジー、システム思考。東 アフリカ(モザンビーク・タンザニアなど)でフィールドワークを行い、NGOや 国際機関・政府機関・企業関係者とともに、持続可能な農業・食料システムの構築を目指す。研究の他に、アドボカシー活動や、国際会議での通訳・翻訳なども行う。現在はサンフランシスコで子育て中。 趣味は鳥類観察、美術製作。
アントニオ・ロマン=アルカラ
食料システム研究者・コンサルタント・教師・ライター・活動家・音楽家・農家。専門は都市農業、パーマカルチャーデザイン、アグロエコロジー、食料システム と社会運動。UCバークレー栄誉学生、オランダエラスムス大学修士。サンフランシスコを拠点とし、主に北半球の都市部における持続可能な食料政策の実現ために草の根レベル・地域レベル・政府レベルで活動を行う。コミュニティ農場” Alemany Farm”創始者。過去にサンフランシスコ市食料政策委員会(Food Policy Council)のオーガナイザーを務める。現在妻とともに子育て奮闘中。